第8章 信用取引


 信用取引は借金だからと言って、保証金も無しに利用できるものではありません。
信用取引をするには、まず信用取引専用の口座を作らなければできないのですが、
その前に、必要な準備資金について知っておきましょう。


■ 「信用取引口座」を作る

 信用取引をするには、証券会社に口座を開設する必要があります。
信用取引口座だけを作ることはできませんので、現物取引の口座開設を済ませてから口座を開設します。
しかし、事前に証券会社のホームページか電話面談のどちらかの方法で、
信用取引ができるかどうかの簡易審査が行われます。


 基準として、「株式経験1年以上、自己資産300万円以上」が目安になります。
ですが、実際のところは上記の目安の通りに申告してしまえば、誰でも開設できてしまいます。
口座開設の申請をしてから、利用できるようになるまでは数日ほど時間が掛かります。
借金することと同じなので、信用取引のことをよく理解してから、口座を開設しましょう。


■ 委託保証金とは?

 委託保証金とは、証券会社に預ける担保のことをいいます。
信用取引をするには、この担保がなければ信用取引はできません。
委託保証金は、現金のほかに、有価証券でも代用することができます。
委託保証金維持率とは、約定金額に対する委託保証金の割合のことです。


 なお、委託保証金に入れている有価証券を代用有価証券といい、
株式の場合は時価に80%程度を掛け合わせた額が評価額となります。
 例えば、現在3000円の銘柄を1000株持っていたとして、これを代用有価証券にすると、
「3,000円 × 1,000株 × 80%(掛目)=240万円」
で240万が保証金と見なされます。


■ 担保を用意する

 信用取引を始めるには、委託保証金維持率の担保を用意する必要があります。
建玉の売買価額に対して、最低でも30万円以上かつ30%以上の委託保証金が、
口座に入金されている必要があります。
 これが20%(証券会社によってはそれ以上の水準)を切ると、20%に達するまで追加保証金を入金するか、
有価証券を売却して委託保証金維持率20%を保つようにする必要があります。
これを追い証といいます。
それができなければ、証券会社が自動的に決済(反対売買または現引・現渡)されてしまいます。


 法令上の最低委託保証金率は30%ですが、各証券会社が定める委託保証金率によって異なります。
店頭やネット証券かの取引方法でも差があるようです。


■ 追い証(おいしょう)の発生

 追い証とは、「追加で保証金が発生すること」です。
差し出している委託保証金の総額が、相場の変動等により必要額より不足してしまった場合、
さらに追加しなくてはならないのです。
追い証は、その日の終値で判断されます。
 信用取引は借金と同じなので、損失が拡大した場合には、
もっと担保(保証金)を口座に追加してくださいというものです。
「保有している銘柄の株価が下がったことで、その銘柄の担保価値も下がった」などが考えられます。
もしこれに応じることができない場合は、上記で説明した通り証券会社が自動的に決済してしまいます。


 最低限維持すべき委託保証金は、「約定時の建玉合計×委託保証金最低維持率」で求められます。
 例えば、委託保証金率30%で委託保証金最低維持率20%として、
1,000円の株を1万株、新規で信用買いしているとしましょう。
 このときの委託保証金は最低300万円(1,000万円×0.3)、
最低限維持しなければならない委託保証金は200万円(1,000万円×0.2)になります。
 この場合、200万円未満になった時に初めて追い証が発生します。
なお追い証は、実際には「保証金」や「保証金代用」から建玉時の手数料や金利などを差し引いた金額です。
また、追い証は終値で判断されるので、上記の例だと、日中に委託保証金が200万円を切っていても、
終値での評価が200万円以上であれば追い証になりません。


■ 2種類の取引方法の違い

 ここでは、信用取引の2種類の取引方法について説明しましょう。
制度信用取引と一般信用取引は、大きく区別すると取引期間と手数料の違いがあります。


制度信用取引とは、
金利、品貸料及び返済期限等が証券取引所の規則により一律に決まっている信用取引です。
一般信用取引とは、
金利、品貸料及び返済期限等は、投資家と証券会社との間で自由に決定することができる信用取引です。


 取引期間は、制度信用取引の場合、決済期限が6か月間以内と決まっています。
しかし、一般信用取引(無期限信用取引)では返済期限がない無期限(または数年)で信用取引が行えます。


また、一般信用取引(無期限信用取引)の特徴をまとめると、


・建玉の返済期限がない
・証券取引所に上場するすべての銘柄を取り扱うことができる
・空売りしても逆日歩を払わないでいい


ということになります。


ポイント 現物取引口座と一緒に信用取引口座を作る
ポイント 信用取引は担保がなければ取引ができない
ポイント 取引の種類で決済期間や手数料が異なる

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